JULIUS
2017-18AW COLLECTION
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〚 NEUROMANTIKA 〛
今シーズンは、ウイリアム・ギブスンの長編SF小説『ニューロマンサー(Neuromancer)』にインスパイアされている。
本作は、80年代後半にサイバーパンクの先駆けとして発表された。
人間の文化、そしてテクノロジーが結びつく新時代を描いた物語である。
しかし今は、そのストーリーが現実のものになってきている。
メタ的な視点を現実に重ね合わせて捉え、それぞれのルックには未来的な要素を含ませた。
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大きなスタイル変化を遂げた2017-18AWシーズンのユリウス。
パリファッションウィークのランウェイで発表されたそのコレクションは、その変化から賛否がはっきりと分かれました。
実際には数シーズン前よりその付箋は打っていたのですが、実際パターン数が少なかったり、各ショップのオーダーが比較的変化の少ないアイテムに偏っていた為そこまでそちらに注目をされておりませんでした。
そんな経緯があり、今回の17-18秋冬コレクションはほぼフルラインナップでJULIUSの進む方向へスタイル変化をしたことで、取り扱っているショップを含め意見が分かれたのではと感じます。
当店にもそれに対し「今までのユリウスのようなアイテムは展開されないのでしょうか?」といったような主旨のお問い合わせを頂いております。
そして、それがJULIUS自身が次へ進む壁となっておりました。
時は80-90年代のバブル期。
山本耀司や川久保玲など日本出身のデザイナーが一番世界で活躍していた時代にいわゆるDCブームが起き、モードファッションが急速に日本へ浸透していきました。
そして2001年にはエディ・スリマンがDior Hommeデザイナーへ就任し、ブラックモードが世界的なトレンドとなりました。
日本人にもこのブラックを基調としたモードファッションは受け入れられ、様々なアパレルブランドもそのスタイルを取り入れました。
というよりは、モードファッションとしてはスタイルも組みやすく、比較的コーディネートも行いやすい為、広く受け入れられすぎたのではないかと考えます。
当時はバブルが弾け日本も経済的に余裕がない時代だった為、どのアパレルブランドも「とにかく売れる服を作っていこう」という体制だったように感じます。(もちろん全てのブランドではなく、逆に今もこのような風潮はございますが、まだファストファッションも日本に根付いていなかったので、高い服だけでなく、比較的安価な服を販売しているブランドも多く存在していた為、割合的にそういった体制を取っているブランドが多かったという意味です)
そんな時代背景もあり、ブラックを基調としたファッションスタイルは「ファッションが好きな人からは独自性が高く見られ、ファッション初心者の人からはワンランク上のオシャレとして見れる、” 売れる服 “」として結果として幅広く浸透していきました。
また、当時は海外ファッショントレンドの情報はなかなかナチュラルに入ってくることはなく、大体が日本の良いように塗り替えられて入ってきていた為、気付いたときには日本独自のトレンドで流動しているガラパゴスファッションとなってしまいました。
それが、近年の急速なSNSブームによって、スマホ一つで海外のあらゆるファッショントレンドが簡単に知れるようになり、ワールドワイドなトレンドが日本でも並行して流行るような時代に今なってきています。
元々はモードブランドとしてスタートしたJULIUS。
より世界を意識したファッションへ進化を遂げる為、今回のこの大きなスタイル変化に踏み切ったのではと感じます。
今のトレンドとなっているモードファッションは、本当に自由な印象が強く、ファッションスタイルの垣根が取り外され、様々なファッションスタイルが自由に組み上げられ、それに対し音楽や歴史が融合されています。
今回の17-18F/W JULIUSのランウェイを観たとき、自分自身は「JULIUSにモードが帰ってきた」と感じました。
パタンニングを極端に膨張させたスタイルは、まさに斬新なデザイン。
また、機能性を逸脱したファスナー使いや、シートベルトをパンツのベルトにアレンジするという自由性の高いアイデンティティー。
ファッションに精通したデザイナー、スタッフがそれらを作り上げたというその事実。
とにかく早く実物を見たい、早く着てみたい、そんな揶揄を含めた期待感が溢れるコレクション。
やはりこれがモードファッションだな、と改めて感じたアイテム。
展示会で拝見させて頂きましたが、終始ワクワクが止まらなかったです。
着ていく自分にもアイデンティティーが生まれそうなアイテムレパートリーでした。
今回のコレクションに付いては色々なご意見はあるかと思いますが、よりワールドワイドに活躍をするユリウスを見たい、そして、そんなユリウスの服を身に纏いたい、そして、より世界のトレンドファッションを楽しみたい、そんなポジティブな気持ちでブランドの変化を感じて頂ければ嬉しく思います。
ここまで大きな変化ですと、必然的ではありますが、色々ネガティブな話しも聞きますが、実際自分はかなりカッコイイコレクションであると感じましたし、当店ではここ数シーズンの中では断トツで先行予約の動きが良いので、当店をご利用頂いております方は比較的ポジティブに今回の変化を受け入れて頂いているのだなとほっと胸を撫で下ろしております。